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【vol.32】コントロール向上のため、ほかにも役立つシンプル2商品

2026.03.05 |更新日:2026.03.24 商品開発室
【vol.32】コントロール向上のため、ほかにも役立つシンプル2商品 - フィールドフォース

 シンプルながら、いや、シンプルゆえに奥が深く、日々の練習に気軽に使え、しかも役立つ「ホームベース・ワイド」と新作「アローベース」の2商品。工夫して練習に取り入れ、ぜひコントロールアップにつなげてほしい。

 

学童野球のホームベース、だからこそ…

「全軟連(全日本軟式野球連盟=JSBB)の最近のルール変更の中でも、私、これだけは評価しているんですよ」
 フィールドフォース社長の吉村尚記が冗談めかして笑う。
「ホームベースの拡大です」
 JSBBは2022年、それまで一回り小さな独自サイズだった学童野球のホームベースを、一般用と同じサイズに変更。この年は移行期間として全国大会のみ、全国一律は翌2023年からとされたが、実際には多くの大会で、この年から移行していた。
 これにより、学童野球で使用するホームベースの幅は、それまでの38.1センチから、一般用と同じ43.2センチに拡大されることとなった。
「学童野球のピッチャー、とくに始めたばかりの子なんかは、ただでさえコントロールには苦労するんです。当然ですよね」
 と吉村。
「それなのに、それまでホームベースは小さかったんです。逆だと思いませんか? コントロールがつかずにフォアボールで走者を出し、盗塁やパスボールで、自動的にランナー三塁。そんな試合じゃ、野球がつまらなくなるだけじゃありませんか…」

 

ストライクゾーンはこんなに広いのだ!

 インパクトのある見た目ではないが、発売以来、コンスタントに売れている商品に「ホームベース・ワイド」FHB-84Wという商品がある。ダイビングやサーフィンで着用するウェットスーツなどに使われる、ネオプレーン素材のシートで、実物大のホームベースと、その両脇にオレンジとグレーの2本のラインがプリントされている。
「ホームベースの幅は、おおよそボール6個分です。ただ、ストライクゾーンを考えるなら、ホームベースの一角をかすりさえすればいいわけで、ホームベースの幅にプラスして、左右にボール1個分、広がるんです」
 吉村が説明する。つまり、43.2センチの左右にそれぞれ約7センチを足した、57センチほどがストライクゾーンと考えられることになる。
「これがオレンジのラインです。さらに外側のグレーのラインは、あえてゾーンの外で勝負するときを考えた補助線。これらすべてを可視化した商品です。これだけでも、たとえば学童のピッチャーには『これだけの幅が使えるんだ』という安心材料になるんじゃないでしょうか」
 確かに、子どもたちにとっては大きな安心感につながるはずだ。ネオプレーン素材で柔らかく、くるくると巻いて持ち運びできるため、チームだけでなく、個人でも気軽に使えることも、ヒットにつながっているようだ。

 ホームベース・ワイドは商品開発時、学童野球選手向けとしか考えていなかったという。
「それがうれしいことに、発売してみると学童野球のチームや選手だけでなく、中学、高校、さらに社会人野球と、あらゆる層に好評だったんです」
 と吉村。現場に持ち出してのプレゼン時にも、常に好反応だ。
「ぱっと広げたときの第一声は『そうそう、これなんです!』というものが多いんですよ。『これは何?』というような疑問の声は皆無ですね」
 これまで頭の中にしかなかったゾーンが可視化されることで、実戦を意識したピッチング練習が具体的にイメージできるようだ。

 

ボウリングにヒントを得た「アローベース」

 そして近頃、ホームベース・ワイドと組み合わせて使うのに最適なアイテムが、新商品としてラインアップされ、こちらもなかなか好調な滑り出しをみせている。「アローベース」FARWB-7560。同じネオプレーン素材の、5色に塗り分けられた長方形のシートだ。
「マウンドとホームベースの間に敷いて目印とすることで、コントロールを安定させるための手助けとなるシートです」
 吉村が解説する。
「ヒントになったのはボウリングです。ボウリングはピンを倒すためにボールを投げますが、投げるときに狙うのはピン自体ではなく『スパット』と呼ばれる、レーンの手前にある三角形の目印。スパットを正確に通すことが、安定した投球につながると言われます。野球も同じではないかと」
 では、このアローベース、どのように使うのが効果的なのか?
「当初はこれ、ホームベース・ワイドを引き延ばすような形で1枚にして、新商品にしようと考えていたんです」
 と吉村が説明する。ホームベース・ワイドを手前に伸ばしたデザインで、ホームベースの前にある5色のストライプの色を決めて狙うという使い方だ。


 ところが、開発を進めるのと並行し、ヒアリングを続けるにつれて、使い方について様々な意見が出たのだという。
「ホームベースよりずっと手前がいい、あるいはマウンドの先くらいでいいなど、どうやら、敷くべき場所に正解はなさそうだと。それならホームベースとは切り離して、単独で売り出そうとなったんです」

 

使い方いろいろ… アローベースを練習に取り入れるとしたら?

 投手経験者は、この新商品をどこに敷き、どう使おうと考えるだろうか?
「最初に考えたのは、マウンドのすぐ前あたりですね」
 と話すのは、フィールドフォースの営業企画部長で、元甲子園球児の鎌田侑樹だ。
「アローベースが近い位置にあれば、これを視界に入れ意識することで、リリースポイントが自動的に決まってきます。コントロールを安定させるためにまず大切なのは、リリースポイントを一定にすることですから」
 リリースポイント自体を意識して修正するのはなかなか難しい。これは効果的な練習方法かもしれない。鎌田が続ける。
「アローベースをキャッチャー側に移動させるほど、より実戦に近づき、コントロールという意味では難易度が上がると思います。徐々にキャッチャーに近づけていき、最後はベース前、という使い方もできるんじゃないでしょうか」
 そうして段階を踏んで練習を重ねることで、最終的にはアローベースが使えない実戦でもコントロール良く投げられるように、となれば最高である。

◇     ◇

 企画開発課長で、女子野球日本代表経験もある小林夏希は「私はほとんど感覚だけで投げてますからね…」と考えながら、「こんな使い方かなぁ」とつぶやいた。
「私、縦の変化球をよく使うんです。カーブと縦スラ。ショーバンしちゃうようなボールだとキャッチャーに申し訳ないから、キャッチャーを置かずネットスローにして、ホームベースの後ろ、本来キャッチャーがいる位置にアローベースを敷いておく。そして狙う色を決めて投げ込む。こんな使い方もありかもしれないですね」
 鎌田とは全く別の使い方だ。もちろん、どちらも正解なのだろう。

 

シンプルだからこそ、アイデア次第で用途は無限!

 シンプルだからこそイメージが広がる。ユーザー次第で、まだまだ使い方はありそうだ。ホームベース・ワイドもアローベースも同じように、使用者の側で工夫する余地が大きいところも人気の理由なのかもしれない。
「アローベースはピッチングだけじゃなくて、野手の送球練習にも使えるな、とは思っていました。しっかりとステップして足を踏み出し、体を開かずに投げる練習です。ステップする足の目印として敷いておくんです」
 と吉村。
「そうしたら、先日またお客さんに言われたんですよ。今度は『吉村さん、これ、バッティング練習でも使えますよ』って。コース、つまり色によって打ち分ける意識づけをするんだそうです」
 考えてみれば、投手と打者は同じ場面で立場を逆にした関係。だとすれば、ホームベース・ワイドにしろ、アローベースにしろ、逆の視点で考えることで、使い方の多くは打撃練習にも応用可能なのかもしれない。
 使うほどに奥が深い、ネオプレーン2商品である。


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